笑顔の山田いずみ先生

【後編】シニアヨガの学びは、全ての人のためになる~山田いずみ先生インタビュー〜

実はシニアのためだけじゃない?

シニアヨガは、誰でもできるヨガとして、高齢者以外にも可能性が広がっているように思います。着替えずにできる「チェアヨガ」として、オフィス街のランチタイムに取り入れているスタジオもありますよね。
ヨガジェネレーションのロゴ
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山田いずみプロフィール写真
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そうですね。椅子さえあればできるので、会社や学校でもやりやすいと思います。山登りに行ったときに友達とベンチに座ってもできるし。誰でも、どこでもできるんです。

意識の面でも、シニアヨガを学ぶと、自分のための介護予防になると思います。介護予防は何歳からと決まっていません。高齢期の心について瞑想して、自分に何ができるか考えることは、自分がどう生きていくか考えることにもなるんです。

自分の身に何か不自由が生まれたりしたときにも、きっと役に立ちますね。
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そうですね。何があってもブレにくい心、自分に戻れる心でいられるのは、ヨガだからこそ得られる効果だと思います。それに、シニア世代にヨガを教えることも、自分のためになりますよ。

ヨガの哲学を勉強するのもいいけれど、実際に長く生きてこられた世代の豊富な経験からは、本当にたくさんのことが学べます。こうなりたい、というお手本になる方も見つかるし。いつも、私のほうが教えられっぱなしという感じです。

まずは公民館でワンコインのレッスンを

口に手を当て笑う山田いずみ先生
シニア世代の身近なところで、仲間と続けられるのが大事
シニア世代に、もっとヨガを身近なものとして取り入れてもらうには、どうしたらいいでしょうか?
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山田いずみプロフィール写真
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理想は、地域の公民館などで、一回500円くらいで毎週シニアヨガができるようになることですね。それなら、整体やマッサージに払うのと同じ金額で気軽にできます。シニア世代の身近なところで、仲間と続けられるのが大事だと思うんです。

シニアヨガを学んで、先生になりたいという方も増えてきています。だから、指導する先生にきちんとお金が回るようにすることも大事です。

というのも、シニアの方が立ち上げるサークルなどはたくさんあるんですが、自分たちだけではマンネリ化してきて、楽しみじゃなくなってしまうケースが多いんです。私もそういうサークルから依頼されて指導をしているんですけれど、やはり皆さん、続けるためにはステップアップをしたいんですよね。

そのためには、指導する先生自身がきちんと学んでこられるように、ボランティアではなく、ある程度のお金が入らないと。国から補助が出ればいいですが、介護「予防」に関しては、市区町村に丸投げなのが現状なので……。もっとシニアにヨガが必要なことが広まって、ゆくゆくは行政が動くようになったらいいと思っています。

そういう教室をやりたいと考えているヨガの先生は、どう動くのがいいんでしょうか?
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告知をうまくすることですよね。シニアの皆さんは、知らないだけで告知さえうまくいけば意外にわっと集まるんですよ。ネットは見ないので市報に載せるとか。市区町村の担当者とつながることができれば話が早いんですが、自分で地域の高齢者の輪に入るという手段もあります。

シニア世代は、地域の中に強固なコミュニティが必ずあるんです。自治会とかお寺の檀家とかね。そういうコミュニティで興味を持ってもらえたら人は集まりやすいと思います。

シニアにこそヨガがおすすめな理由

最後に、シニア世代にヨガがなぜおすすめなのか、教えてください。
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一番は、運動や体操とは違う効果が得られることです。ただの運動と違い、神経とか脳といった深いレベルから、健康の土台づくりができるのがヨガ。風邪をひきにくくなるとか、消化がよくなるとか、よく眠れるようになるとか。

シニア世代にとっては、そういう健康な土台があって、その上で筋力をつけたり運動したりできるものです。高齢になると、いくら運動で筋肉をつけても、風邪ひいて寝込んでいる間に筋力が落ちてしまう……なんてことが頻繁に起きるものなので。

健康の土台づくりとしてヨガを始めて、続ける中で、心が安定して頭がクリアになるとか、生きる意味が見つかるとか、心の面の効果も実感してもらえたらいいですね。