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古来から日本人の心に宿るニヤマ(勧戒)の教え

ヨガを始めると、多くの方がまず1番に出会うのはポーズ、「アサナ」だと思いますが、
実はヨガ=アサナ(いろいろなポーズをとること)ではなく、
アサナはヨガ哲学の八支則というものの中の1つに過ぎません。

ヨガの八支則とは、生活をしていく上で守るべき8つの規則や、心がけといったものですが、
その中の1つに“ニヤマ(勧戒)”というものがあります。

ニヤマは“進める戒律”と書くように、行なった方が良い行為や心構えについて説明されているものです。

その中には、“Sauch:シャウチャ(清浄)”、”Samtosa:サントーシャ(知足)”、”Tapas:タパス(苦行)”、”Svadhyaya:スヴァーディヤーヤ(学習)”、”Isvarapranidhana:イーシュヴァラ・プラニダーナ(祈り)”
の5つがあります。

こうして見ると難しそうな言葉が多いですが、1つ目から順に見ていくと、
清潔でいること、現状に満足すること、努力すること、学び続けることと言った感じでしょうか?なんだかそんなに難しいことではない気がします。
ただ、最後の“祈り”に関しては、あまり日常的なものではない気がしていたのですが、先日読んだ本の中で、
私たち日本人には古来から“祈り”の習慣が身に付いており、祈り自体が日常的に行なっているものであったと知ったので、今日はそれをご紹介したいと思います。

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・”Isvarapranidhana:イーシュヴァラ・プラニダーナ(祈り)”は何を意味しているの?

いろいろな解釈がありますが、「自分の行動や意志を神様に捧げること」
「自分に起こる全てのことを受け入れ身を委ねること」といった意味があります。

ヨガジェネレーションの過去の記事では、「自然と共存すること」として紹介されていました。
>>ヨガ哲学を身体で体験してみよう!シリーズ Vol.11「イシュヴァラ・プラニダーナ=祈る/自然と共存すること」

どれも、自然や神様などの大きな力があり、そこに身を任せたり、感謝をしたりしながら生きることを意味しています。
「自然に感謝をする」ことが、ヨガが教え伝えている祈りであるとするならば、私たち日本人には日々行なっている「祈り」に相当する行いがあります。


・「頂きます」と「ご馳走さま」の本当の意味

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私たち日本人は、食事の前後に、当たり前のように手を合わせますよね?
これは海外では珍しいことで、「何をしているの?」と聞かれることも多々有ります。
「頂きます」「ご馳走さま」は、何のためにしているの?と聞かれたら、なんと説明しますか?

作ってくれた人に感謝
食材を運んで来てくれた人に感謝
農作物、豚や牛や鳥を育ててくれた人に感謝
その食材となった動物の命に感謝

たぶん、この全てだと思います。
本の中でも、すごく印象深い説明が載っていたので、ご紹介します。

「いただきます」とは「あなたの命を頂きます」という意味であり、食材そのものに対する感謝の気持ちを表す言葉であるから、キリスト教徒が神に食事を感謝するのとも性質が異なる。(中略)一方「ごちそうさま」は「ご馳走様」と書くことからも分かるように、食事を作ってくれた人と食材を生産した人に対する感謝の言葉である。
(P97)

「いただきます」と「ごちそうさま」は現在では手を合わせて唱えるだけの簡単なものになっているが、本来は一拝一拍手の後に和歌を詠み、続けて「いただきます」もしくは「ごちそうさまでした」を唱えるのが作法である。
数が違うだけで基本的には神社参拝の二拝二拍手一拝の作法とかたちは同じである。参拝と食事の感謝が同じ作法であることからも、料理そのものが神であることが分かる。ちなみに、食前の和歌は「たなつもの百の木草も天照す日の大神のめぐみえてこそ」で、食後の和歌は「朝よひに物くふごとに豊受の神のめぐみを思へ世の人」。
最初の歌は、すべての草木が育つのは太陽の神である天照大御神の恵みを得ているからという意味で、次の歌は、食事をするたびに豊受大御神の恵みに感謝しましょうという意味である。
(P99)

これらのことからわかるように、古来の人々は食事を神様からの贈り物として考えていました。
確かに、今の時代には、季節を問わず、輸入や温室栽培などによって、食べたいものを時期を問わず食べることができますが、
それでも不作だった年は値段が高かったりと天候や自然災害に左右されることは多く見られます。

きちんと晴れがきて、雨が降って、夏には暑くて、冬には寒くて、そんな四季の変化が当たり前に来ることが、私たちが今日食べる食事を作るもとになっています。
そう考えると、やはり食事の時に手を合わせて「頂きます」「ご馳走さま」を伝えることは、食事をする時の礼儀であり、感謝の気持ちを伝える行為なんだと思います。

こうやって、手を合わせること、自然に感謝すること、それが、私たち日本人に宿っている
“Isvarapranidhana:イーシュヴァラ・プラニダーナ”、祈りの精神なのではないでしょうか?

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