対談vol2_top_0702
【ヨガジェネレーションスペシャル企画】

産婦人科医 高尾美穂先生 × サントーシマ香先生 スペシャル対談
“ヨガが女性に出来ること” vol.2

爆発的なヨガブームから次第にライフスタイルとして定着してきたヨガ。
特に女性にとっては美容・ダイエットから、自分の心と体の調和やストレスと
うまく付き合う1つのエッセンスとなってきているのではないでしょうか?

そこでヨガジェネレーションではヨガの指導者として女性の体と心に寄り添い、第一線で活躍を続ける、
産婦人科医 高尾美穂先生サントーシマ香先生にヨガのこと、女性の心と体のこと、
そして指導者としてのこれからなどをお話頂くスペシャル対談を行いました。
全4回にわたって、それぞれテーマ毎にその想いをお伝えしていきたいと思います!

第2回のテーマは“女性の体と妊娠”です!

 

現代女性は妊娠・出産のタイミングに悩んでいる?

編集部:
テーマの“女性の体と妊娠”について、会社でお仕事をバリバリ頑張る女性が
増えていますが、妊娠や出産をと考えてもなかなかタイミングがという方が多い
気がしているんですが、どうでしょうか?

 

香先生:
そうですね。出産を控えている知人がいるのですが、
その方は仕事でずっと責任のあるポジションで、長いこと働いた分だけ自分のライフスタイルが
仕事中心に固まって来ちゃって、なかなか妊娠・出産に踏み切れない状態みたいでした。

 

高尾先生:
患者さんで 12月に妊娠したいんです、などピンポイントで希望する人はけっこういますね。
でも実際、年齢が上がれば上がるだけ妊娠できる確率が下がってくるから、何月に妊娠したいとか、
そういう問題ではいんですけどね。
診察に来てくれた方には直接そのことを伝えられるけど、実際にこう考えている人は多いんじゃないでしょうか。

 

香先生:
そうですよね。全部をきちんと管理して頑張ってきた人ほど、
スケジュールを見てこの期間だったらいけるんです(妊娠・出産できるんです)という風に
考えてしまいがちですよね。

 

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高尾先生:
そうそう。妊娠に関してもそういう自分の思いどおりになると思ってしまいがちですね。
実際、妊娠・出産って自分の思ったとおりにいかない部分も大きいし、タイミングだってあると思う。

身近な人だとなかなか言いづらくて、本当にやんわりとしかそういうことが伝えられないですよね。
でも同時にその一言、多少お節介に感じるかもしれないけど、それがすごく大事だと思います。
「意外と子供ってすぐに出来ないんだよ」という言葉は「へえー、そうなんだ」ってなると思うし、
それは言ってあげてほしいと思う。

 

”不妊”について

編集部:
実際、不妊に関する生徒さんからの相談は多いですか?

 

香先生:
うーん、やっぱりいろいろ聞かれますね。
でもどうしたらいいかではないし、自分自身がそこのレベルでアドバイスをする存在じゃないですし。
でもみんな、辛い経験や今子供が欲しくて不妊治療をしていますという話をすごくよく聞きますね。
そういう意味でヨガの先生と高尾先生のようなお医者さんとの棲み分けが凄く大事だと思っていています。

 

高尾先生:
何が問題で上手くいってないのかは、これまでの私の経験からその方のお話だけで分かる部分はあって、
その中でも多いのがトライの頻度が少ないかなと思います。
それに排卵日にトライすればいいと思っていても排卵日が不規則というケースはありますからね。

今回の排卵日を逃すとまた1ヵ月後となるし、でもそれほど多くトライしていないにも関わらず
次の生理で出血が始まるとがっかり、という方は多いですね。

まずはその気持ちのアップダウンの幅を小さくしてあげることで
ずいぶん楽に過ごせると思います。
期待する気持ちはいいんだけど、そのあと下に落ちてしまう気持ち、そのボトムを上げてあげる
というのが楽に生活していく方法じゃないかなと思うので、そこをヨガでどうにか出来ないかなと思っています。

 

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香先生:
切羽詰まってからアクションをするのではなく、切羽詰まる前に何か
アクションをすることは凄く大事
だと思います。
そこで問題になる前に自分の健康の底上げをしてあげる、月経サイクルを整えたりだとか、
便秘を解消したりだとか、食事とかライフスタイルとか。
それは更年期にしても不妊治療しても言えることで、問題が現れる前に
何かしてあげることが大事だと思います。時間もかかりますよね。

 

高尾先生:
本当、そう。マタニティヨガだって、妊娠してからヨガすることは本当に良いことだけど、
できることなら妊娠の前からヨガをして欲しいなと思います。

妊娠したからヨガをするんじゃなくて、いつか妊娠したいと思っているんだったら
ヨガしようよ!って思いますね。
そうすると、妊娠しようと思っているんだったら今吸ってるタバコを止めようってなるだろうし、
妊娠したから赤ちゃんにいいものを食べるんじゃなくて妊娠する前の自分にいいものを食べるべき。

いいものって言うのは、すごく高いものとか、完全なマクロビとかじゃなくて、
たんぱく質やビタミンなどをバランスよく、それこそ昔から良いと言われていること、
腹八分目とか、減塩とか、お酒を控えめにするとか。
そういうことを少し気をつけるかが、すごく大きく違ってくると思います。

 

香先生:
難しく考えない方がいいし、偏りすぎないほうがいいと思います。
ジャンクフードとかアルコールとかカフェインは控えた方がもちろんいいですよね。
でも絶対にオーガニックやマクロビだけと決めてしまう必要もないと思います。

 

高尾先生:
ゆるくていいと思うの。忙しくて今日は時間がないという時は
仕方ない!と思ってコンビニに行けばいいと思うの。
ファーストフードに友達と行ったんだったらその時間を友達と楽しめばいいと思う。
毎日毎日をちゃんと選んで欲しいということ。

きちんと自分の中で選択をすることが重要ですね。
今日は時間があるかいいものを作って食べよう、今日は忙しくて時間がないから
コンビニや外食にしよう、と自分で理由をもって選ぶことがまずは必要。
そのうち妊娠したいという想いがあるのならその時から頑張るのではなく、
その前から助走期間を作って生活を見直すことが大切
だよね。

 

男性ができることとは?

編集部:
女性の妊娠に対して、男性はどんなことができるのでしょうか?

 

高尾先生:
環境作りが大事じゃないかな。
タバコなど身体に悪いものがない環境大事なパートナーにストレスを与えない環境とかかな。
あとは食事もバランス良くね。

 

香先生:
男性も女性と同様に繊細な部分ってあるから、あまりこの時に!と
女性が神経質になったりするのも良くないかもしれないですね。

 

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高尾先生:
そうそう、「排卵日メール」って言って、奥さんから
今日排卵日だよというメールでプレッシャーを感じて固まってしまう男性も多いって言いますね。

そんな話をみんなにする時にはいつもこう言ってるんですが、生理が終わってから排卵日まで、
排卵日の前と後では前の方が妊娠しやすい
の。だからこそ排卵チェッカーなどを上手く活用して、
排卵日までの期間になるべく多くトライすることが大切だと思います。
ピンポイントではなくその期間に頻回にトライすることで、旦那さんにとっても
プレッシャーを減らせるのではないかな。

 

香先生:
女性があんまり集中して「今日しかチャンスは無いの!!」ってなると
男性もプレッシャーになりますもんね。

 

高尾先生:
生理が28日周期の人だと、生理による出血が7日間前後あるとして、
出血が始まった日から14日目が排卵日と言われているので、
生理が終わってから排卵までの間にトライを出来るだけ多くすることが大切。

 

女性の体は野生的!?

香先生:
女性ホルモンのエストロゲンというのは精神がおっとり、のんびりして受容性の高い状態に
導き、自然と性欲が高まる働きがあると本で読みました。
女性ホルモンの波に乗って自然と妊娠しやすい心と体になっていくんですね。

 

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高尾先生:
そうそう、その通りなの!
人間も動物だから排卵日の前後は妊娠しやすいように、心も体も全てが変わっていくはずなの。
だからこそ排卵期のおりものはサラサラで精子が子宮にのぼっていきやすいように変化するの。
逆に排卵が終わった後のおりものっていうのは、雑菌や他の精子やってくるな!となって、
ぽてっとしたおりもので蓋をする。それくらい体は変化しています。
ある下着メーカーの調査によると排卵前の女性のヒップの位置は生理中の
ヒップの高さより5㎝も高いというデータがあるそうだよ。

 

香先生:
5センチって凄いですね!!

 

高尾先生:
排卵のスイッチが押される前にどんなホルモンの変化があるかっていうと
エストロゲンがピークを迎えるの。このピークを迎えると排卵のスイッチが押されるので、
結局その女性らしさを司るエストロゲンが高いのは排卵前ということ。
本当に本来は人の体って自然のまんまなんだよね。

 

香先生:
エストロゲンの受容体は本当に身体の至る所にあって、
それは脳にもあって意識の女性化をすすめるということなんですが、妊娠している時って
エストロゲンプロゲステロンもすごく出ていたので、あの時って
私自身ゆったりおっとりしていて、あんまりイライラしなくなって
受け入れる心になっていたと思います。

今って性差があまりないと言われていますが、女性にとってあの感覚は
本来の心の状態に近いのかなって思います。
現代は特にそんな状態ではいられないような生活環境や職場環境だったりして、
その状態が女性であっても抑制されているんだろうなって感じます。

 


Vol.3へ続く>>

 

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妊娠・出産だけでなく、更年期や不妊など女性の不調に対して
問題が現れる前に自分の健康のベースをつくることが重要。
月経サイクルを整える、便秘を解消する、食事やライフスタイルを見直すなど
特別なこと、偏ったことではなく日常の小さなことからまずは取り組むこと。
 
同時に女性ホルモンや月経の起こる仕組みを正しく理解することで
妊娠の確率を高めることができるのではないでしょうか。

 

プロフィール

takao_profile高尾美穂|Miho Takao

産婦人科専門医・医学博士・イーク表参道副院長・
スポーツドクター・Gyne Yoga主宰

東京慈恵会医科大学大学院修了後、慈恵医大病院 産婦人科助教、東京労災病院 女性総合外来などを経て現在イーク表参道
副院長を務める。大学病院では婦人科がん(特に卵巣がん)を専門としていた。得意分野は女性スポーツ医学、婦人科内分泌。日々、婦人科外来診療・分娩などに携わっている。

幼いころよりスキー、乗馬、ソフトボール、テニス、サーフィンなど様々なスポーツに親しむ。2003年にヨガと出会い、練習をはじめる。ケンハラクマ師に師事。
IYC アシュタンガヨガプライマリーシリーズ指導者養成修了
IYC アスリートヨガ指導者養成修了
IYCウェルエイジングヨガ特別監修を担当。
日本マタニティヨーガ協会マタニティヨーガ指導資格を持つ。

婦人科医として、手術はもちろんのこと抗がん剤、放射線療法、緩和ケアを含む終末期医療など大学病院で学び、実践してきたばりばりの『西洋医学』をベースとし、趣味が高じた『yoga』、アンチエイジング医学、漢方をはじめとした東洋医学、栄養学、スポーツ医学それぞれを総合的多角的に用い、女性がよりよく歳を重ねていけるようさまざまな角度からサポートしていくことをライフワークとしている。

 

kaori_profileサントーシマ香|Kaori Santosima

学生時代よりモデルや女優などの活動をおくり、生真面目な性格もあって心身のバランスを崩す。
試行錯誤を続ける過程で自然療法に興味を抱き、出会ったヨガに夢中になる。
2002年カリフォルニア移住後、インド古来の総合的なヨガ、
アーユルヴェーダ、ヨガニードラ、ヨガセラピーを学び、Berkeley市のスタジオYoga Mandalaにて英語でクラスを教え始める。
2008年の帰国後もアメリカやインドなどを度々訪れ、
海外のシニア・ティーチャーとの研修を積み重ねている。
数々の素晴らしい先生方との出会いと、自己練習を通じて得た気づきを生かし、自らが充足し、満ちあふれた調和のエネルギーが作為なく周囲に広まっていくような、現代人の毎日を
支援するためのツールとしてのヨガが広く役立つように情熱をもって活動している。一児の母。

著書に自宅で取り入れやすいヨガ練習を提案する「カラダが 変わる たのしい おうちヨガ」高橋書店
「サントーシマ香のムーンサイクルヨガDVD (2014)」竹書房など
NHK第一ラジオ「すっぴん!」内で「ゆる~りヨガ」(2012春~2013年3月末終了)
オハナスマイルヨガ講師養成講座、スピリットヨガ講師養成講座、ビーヨガ講師養成講座など

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