yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,6

 

「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,6

2008年11月6日(木)

ガラパゴスでの最後のツアーは集合時刻が早く、午前6時前に起きた。
夢の中で私はヨガのインストラクターとしてデビューしており、これには昨日のアンガーマイヤー氏との会話が影響しているのだろうと思う。「ここではヨガレッスンはやってないの?」と聞いた私に対し、「君がヨガの先生になってレッスンをここでやってくれるのなら、雇ってあげるよ。」と言ってくれたのだ。

今日のツアーはバルトロメ島への日帰りで、Angermeyer Waterfront Inn Hotelからの参加者は私のみ。お隣のFinch Bay Eco HotelからJoanne(カナダ人)とStuart(イギリス人)の夫婦、そして町から離れたハイランドにある、ガラパゴスで最高級のRoyal Palm Hotel(オーナーはイタリア人らしい)からアメリカ人夫婦のNancyとGaryが参加。

yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5Royal Palm Hotelのお客さんを最後に拾ってからフェリーの乗り場に行くのだが、このホテルで10分程度待ち時間ができたので、その間送迎のミニバンの外に出てみた。ここは初日に訪れたクレーターやプリミシラから近いので、やはりあのときと同様に、頭がキーンとする。やっぱりこの感覚は苦手。早く立ち去りたい。誰も気にしないのかな、この超音波のような不快な感覚。私だけが感じているのだろうか?

ちなみにStuartとJoanneは初老の夫婦。NancyとGaryはおそらく40代後半で、再婚とのこと。この幅広い年齢層の5名の参加者に対し、女性のネイチャーガイドが一人ついて、出発。今回のツアーは少人数なので、フェリーもこれまでの半分のサイズで、豪華だけど超小型で省スペース設計だ。片道2時間以上かけてバルトロメ島へ行く。青くおだやかな海、今日も文句なしの晴天。
白い雲が大きく流れて、どこを見ても魂が洗われるような美しい景色。
途中ウミガメやサメが泳ぐのが見れた。

yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5道中Joanneと色々話した。彼女は1年半前に大きな癌の摘出手術をして、
それ以降初めての旅行がこのガラパゴスだそう。私も15歳のときに
大きな事故を経験しているので、色々な気持ちをシェアできた。
弱っているときにどういう気持ちになるか、本当の意味での治癒能力とは
何だと思うか、などなど。また私が仕事を辞めて来たように、
彼女も人生の転換期というか、ちょっとした節目だと言っていた。
かなりプライベートな、ディープな話を交えたガールズ(?)トークを、
母親よりも年上の彼女としていたら、あっとうまにバルトロメ島に到着。

バルトロメ島はなんだかものすごい島で、火山が噴火して、そのまま残っているような姿。
一方は火山灰、反対側は溶岩で覆われている。
赤と黒と茶色と海の青で構成されている、すごい景色。
むき出しの大地がこんなにきれいだなんて、知らなかったな、と思った。

yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5来る前にこの景色を写真で見た私は、こんなに何も無いところに行ったら寂寥感でどうにかなるんじゃないかと思って心配していたけれど、まったくその予想は見当違いであったことが分かった。ここには全てがあった。圧倒的に、「在る」という状態だった。そこにいるだけで心が満たされるのを感じる。
この島にはなんというか、あっけにとられるくらいのパワフルさがあると感じた。350段以上もある(どこかの団体の寄付により作られたらしい)階段を登っていくと、殆ど動物の姿はなく、ヨウガントカゲと、体長10センチはあるガラパゴスオオバッタがいるだけ。女性陣は「ヒップアップに効果的だから」とお互いを励ましあいながら、息を切らして登った。

頂上からは360度の絶景が見られる。米軍が射撃の練習でおかしな形にしてしまった岩などをバックに写真を撮った。

 

yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5

 

yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5そのあとはビーチでシュノーケリング。
しかし合うマスクがなく(付け方が悪かったのかも)、何度トライしても水が入ってきてしまうので仕方なく、泳がないJoanneとビーチでゴロゴロすることに。するとクルーがゴムボートを出してくれて、周辺を乗せて回ってくれた。このとき岩場にいるフンボルトペンギンを見れてラッキー。思ったより小さくて、かわいい??。嬉しい!
(後姿しか撮れなかった上に興奮のあまりピンボケ気味)

ボート上でJoanneとガールズトークの続きをしながら優雅な時は過ぎていった。
が突然、Nancyが海の中から「ウミガメがいる!」と叫んだ。

 

yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5私はどうしてもどうしてもウミガメ見たくて、合わないマスクを慌ててつけて海に飛び込んだ。短時間持てばいいやと思ったので。
果たしてウミガメはそこにいた。
私のちょうど真下3mくらいの、海底の砂の上に、じっとしていた。
すごく大きくて、体長はその距離で私とほぼ同じくらいに見えた。
カメの真上に重なり合うように浮かんで、じっと観察した。
素直に「でか、本物だ。」と思った。そして、厳かな雰囲気を感じた。
すごく静かな気持ちになった。
しかしすぐマスクに水が入ってきたので慌てて顔を上げ、マスクをはずして立ち泳ぎ。ゴムボートまで泳いで拾ってもらう。
しかし!渾身の力を振り絞っても海の中から自分の体を持ち上げることができず、何度トライしても惜しいところで上がりきれない。結局たまりかねたクルーの男の子とJoanneに左腕と左脚を持って引っ張り上げてもらった。みっともない姿で水揚げされ、かなり恥ずかしい。Joanneに、「日本のサメが釣れたわ?!」と笑われてしまった。
帰国したらマイシュノーケルセットを買うことと、腕力をつけることを心の中で固く誓った。

yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5さて全員ボートに戻ったら、着替えてすぐランチ。
これもまたすごく美味しかった??。
船の小さいキッチンでよく作るなあ。デザートはパンナコッタでした。
帰りは船の揺れが気持ちよくて、ずっと寝ていた。全然酔わないどころか、この旅で、波独特の不規則な揺れが大好きになってしまった。
この日の夜はStuartとJoanne夫妻とホテルのレストランで一緒にディナーをいただく約束をして、一旦解散。部屋に戻って、明日のチェックアウトに備えてパッキングを始める。そして最後の夕方の景色を目に焼き付けようと、お気に入りのテラスで日記を書いた。ちょうど空が少しずつピンクに染まっていく、大好きな時間帯で、本当に天国のように美しい。空を飛び交う大きな鳥たちをもう見れなくなるんだ、もう終わりなんだと思うと泣けてくる。帰りたくない。何よりも、帰国する自分、日本にいる自分がまったく想像できない。
yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,5毎日が楽しくて、心のきれいな、楽しい人たちに会って、自分の心が自由で、強くて、安定して、自然と対話する感覚が常にある、この世の楽園みたいな場所。
でも帰らないといけないから、もう見納めだ。こらえても胸のあたりがぎゅうっと苦しくて、涙が出てくる。去ることを今は考えないように、と自分と戦う。

最後のディナーなので、日替わりのスペシャリテを頼んでみた。これがゴージャスで美味しくて大正解。ここのエグゼクティブシェフはデイビッドといって、カナダ人のイケメン。南アフリカでシェフをしていたところを引き抜かれ、ガラパゴスに来たらしい。家族はカナダに残しており、中学生の娘さんとはSkyeでコンタクトをとっているので問題ないと言っていた・・・いろんな人生があるなあ。
美味しい食事を囲んで、Stuart、Joanneと色々な話をした。
その中で私が植林の話をすると、二人はいたく感動していた。
こちらがかえってびっくりするほど。連絡先を交換してHUGして別れた。

そして部屋に戻ってパッキングの続き。ここを離れがたい気持ちはますます強く、涙が止まらない。
ベッドの上の窓を開け、夜の港の景色を何度も何度も確認し、忘れないように目に焼き付けてから、
このお気に入りのベッドで寝るのも今日が最後か、としみじみ眠った。

写真・文 岩本ローラ

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