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君を忘れない。

お正月に実家に帰って、家族と一緒にお墓参りに行かれた方も多かったのではないでしょうか。春秋のお彼岸やお盆はもちろん、様々な節目にお墓参りを欠かさないお家も多いことでしょう。日本人は祖先とそのお墓を大切にしてきた民族ともいえます。

a1180_000163.jpg土葬・火葬はもちろん、古来行われていた鳥葬や風葬など、葬儀や埋葬の形態は、宗教や個人、国などによって様々。現在日本において最も一般的なのは、火葬した後に遺灰を墓地に埋葬すること。しかし今では、遺骨を好きな場所に散骨して欲しい、という方も増えてきているそうです。

ブータンや中国などでは一般的な選択肢として散骨があるそう。日本では一部地域の条例などで禁止されていますが、実はほとんどの地域で散骨が可能。とはいえ近隣の苦情問題なども発生しており、実際に散骨を行える場所はかなり限られているそうです。

ヨガの世界観では人は輪廻転生を繰り返しており、サマディに到達した人だけが、この輪廻の輪から外れることができるといいます。肉体は神から借りている一時的な入れ物に過ぎず、死の訪れはその入れ物を神に返す時間が来ただけ。そして本来の中身である魂などと呼ばれる部分が、次の入れ物へと移り変わっていきます。

生命が命を終えると、その肉体は「土に還る」と表現されます。つまりもともとあった場所に戻すことにほかならない、ということを表しているのかもしれません。実際に体は大地と同じ要素でできており、肉体が滅びると土に還っていきます。

1354791_14808834.jpg生きていることは尊いこと。でもどんな命もやがて死を迎え、土に還っていきます。散骨はもちろん、今では土に還る骨壺も開発され、本当の意味で土に還ることができるようなっています。しかしそれでも、亡くなった人を偲ぶ、素敵な場所としてのなんらかの記念碑を残し続けていきたいと願うのは、私が日本人だからなのでしょうか。

地上に残されているお墓や記念樹などは、いわばその人の生きた記念碑。それは亡くなった人のためというよりも、残された側の人のためのもの。いつまでも身近なところで、亡くなった人の存在を感じていたいという思いに応えるための記念碑です。

散骨、記念樹、宇宙葬。様々な埋葬のスタイルがあり、本来の土に還るという選択肢もある今。それでも家族や親しい人たちが集まり、亡くなった人の想い出を大切にする場が、きっとこれからも大切に愛され、残されていくことでしょう。

冥王星の発見者クライド・トンボーの遺骨は、冥王星探査機に搭載され、冥王星に向けて今もこの宇宙空間を飛び続けているそうです。地上に記念碑はないけれど、きっとたくさんの彼の友人や家族が、この星空を見上げるたびに冥王星に向かう彼のことを、想い出していると思いたいものです。


-Mikako.h

 

 

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