思考のクセから離れて気持ちのいい毎日を

「思考のクセ」から離れてすっきり気持ちいい毎日を

不調はどこから?

心地よく生きるためには、体がスッキリして詰まりがないことはもちろん、心にも詰まりがないことが大切だ。

心と体は常に同時進行。体が不調なら心も不調に陥るが逆もしかりで、心が不調ならそれは体にも現れる。今回は心の不調との向き合い方について考えてみよう。

そもそも心の不調はどこから訪れるのだろうか。何か嫌なことが起こったから? 仕事でストレスを抱えてしまったから? 自分の考えが相手に伝わらないから? はたまた結果が期待よりも悪かったから?

確かにそうしたことがあると、一気に落ち込んでしまい心はダメージを受ける。しかし同じ状況でも割と平気な人もいるし、どんな状況でも簡単に挽回してしまう人もいる。この差はいったい何なのだろうか?

平気な人とそうでない人はどこが違うの?

この差は、思考のクセから来ている。人は誰しも無意識のうちに陥りやすい思考の流れを持っている。

例えば、第三者からしたら「なぜそんな風に考えるのだろう?」と理解できない飛躍した考えであっても、本人はそこにハマッてしまい、それしか考えられなくなってしまうことは意外によくあること。

ここでは、カウンセリングでも用いられる思考のクセ10パターンを紹介する。普段の自分と照らし合わせながら確認してみよう。

ネガティブを作る10の「思考のクセ」

1:ネガティブなレッテルを張ってしまう。

ミスや失敗をした時に「自分はダメな人間だ」、「だから自分は…」など自分にレッテルを張ってしまう。結果として自分で作った枠の外に出ることが難しくなる。「私はこんな人だから」と決めつけて、できない言い訳にしていない?

2:「〜すべき」と自分に課してしまう。

何ごとにおいても「〜すべきだ」、「〜しなければいけない」という考えになりがち。そして自分を追い詰めてしまい、ストレスを作ってしまう。

3:一つのことにこだわって他のことに気持ちが向かない。

何か一つ困ったことやよくないことが起こった時、そればかりくよくよ考えてしまい他のものが目に入らなくなってしまう。

4:何でもないことまで悪い出来事に変えてしまう。

何でもないことや、いい出来事の悪い面をわざわざ見つけては、よくない出来事としてすり替えて捉えてしまう。

5:自分に責任がないことも自分のせいだと感じる。

何かよくないことが起こった時、自分に責任がなくても自分のせいだと考えてしまう。自分を関連づけてしまうことで罪の意識を感じ、自分の評価をどんどん下げてしまう。人にものを頼めないような人はここに陥っている場合が少なくない。

6:白か黒か、両極端で真ん中がない。

現実は、何でも割り切れるものばかりではないし、本当の答えが両極端ではなく真ん中にある場合も多いが、極端に考えるあまり出口が見つけられなくなってしまう。自分と同じようにしない他人に対してイライラしてしまう原因にも。

7:評価が大きすぎたり、小さすぎたり極端。

ものごとに対する反応が極端になりがち。例えば失敗したことや自分の短所は大げさに捉えて落ち込み、反対に長所や成功したことは評価しないなど。

8:感情がものごとのすべての根拠になっている。

客観的にものごとを捉えるのではなく、自分の感情を中心にものごとを捉えることで考えが偏ってしまう。自分の物差しだけが価値基準となり、意見の合わない人を受け入れられない。

9:想像力が豊かなあまり結論が飛躍する。

確かな理由や根拠がないのに、まだ起こっていない結果を想像して悲観的に捉える。ある人が自分に悪い反応をしたと早合点してしまったり、今のままでは確実に悪い結果になると決めつけてしまう。「今」にいないため常に不安にさいなまれがちになってしまう。

10:「みんな〜だから」と一つのことを全部に当てはめる。

例えば誰かに何かを指摘された時、それはその人の個人的な意見なのに「みんなが言っている」と一般化してしまう。思い込みが激しく、一つの出来事でものごとを判断しがち。

客観視することで新しい自分を見つけよう

思い当たるものがいくつかあったかもしれない。危険なのは、これらの考えが高じて、相手や自分を強く責めることで鬱病になったり、心を閉ざしてしまうこと。

大切なのは、そこに至る前に回避すること。回避する方法はシンプル。自分を客観的に見ること、違った側面からもものごとを考えてみること。

例えば、相手の立場になってものごとを考えれば、自分と少し距離ができることで、状況を俯瞰し、人を受け入れられるようになる。

特に無意識に「思考のクセ」を、自分を守るための言い訳に使っていたり、変化を避けている場合は、抜け出すことが難しくなる。

その場合はまず、その「思考のクセ」は自分を守っているようで、根本的には自分で自分を追い詰めて、心のダメージを深くしているだけだということに気がつくことから始めよう。

普段から自分を客観視することを意識することで、見える世界は変わり、心の詰まりがない新しい自分に出会うことができるはず。ぜひ試してみて。

教えてくれた人=下條茂
しもじょうしげる。ホリスティック医療の専門学校、ナチュラルメディカルカレッジ学長、NPO法人WHA主宰。医師、歯科医などと連携し、さまざまな治療を総合的に取り入れることで自己治癒力を高め、生活の質を向上させる治療法が指示されている。

文=Yogini編集部