「足るを知る」ということ

ヨガ哲学の「サントーシャ」は「知足=足るを知る」実践法

求めすぎて自分を苦しめていませんか?

窓際でカーテンをめくって外をを眺めている寂しそうな女性
迷いや苦しみは自ら生み出していること

足るを知るとは、今持っているもので十分に足りていることを認識し、それ以上に求めないという意味です。私たちは日常生活の中で、「雑誌に載っていたあの服が欲しい」「○○さんみたいにお金持ちになりたい」といったように様々な欲に縛られてしまいがちです。物欲は悪、とまで断言すると少し息苦しいですが、「今目の前にあるものに目を向けて感謝しながら生きる」「持っていない物への執着はやめて現状の中で最大限努力する」と解釈すると分かりやすいかもしれません。

夢や目標と「ないものねだり」を混同しない

「こうなりたい」という夢や目標は生きていく上でとても大切ですが、ないものねだりや執着はかえって自分を苦しめてしまいます。ヨガは「今、ここにいる自分」の内側を見つめるものであり、ここにないものに囚われるのはヨガ的ではありません。

まずは今に目を向けてみる

テーブルの上の手帳に書かれている「Good Enough」という文字
足りているものに目を向けてみよう

毎日の暮らしの中でイライラやストレスを感じるとき、サントーシャをより身近に感じる為に、「足りているものリスト」を作ってみてはいかがでしょうか?
例えば、

  • 自分のことを愛してくれる家族や友人がいる
  • 今日もヨガの練習ができる
  • 帰る家がある
  • ふかふかのベッドで眠れる
  • 蛇口をひねればきれない水が出る、お湯も出る
  • 新鮮な野菜、果物などがいつでも手に入る
  • クローゼットにある服で季節ごとにおしゃれを楽しめる

こんなふうに書き出してみると、「自分は何て恵まれているのだろう」という意識と同時に、感謝の気持ちが沸き起こってくるのではないでしょうか。

「サントーシャ」の教えは、生きていく上で一番大切なものが何か気づかせてくれ、フラフラとしがちな心を「今」につなぎとめてくれます。電車に揺られている時やお風呂に入っている時、心を少し柔らかくして考えてみてはいかがでしょうか。