はんなり美女の銀座マダム
「桃色カクテル: ベリーニ」で、人間関係が築き上げたヴェネチアのハリーズ・バーを紹介。
今回は、もっと近場、銀座のバーをご紹介します。
上羽秀(うえば・ひで)という、一筋な女性がいました。
「月見草のような女(ひと)」だと言われた、京都と東京のバー「おそめ」のママ。
お客さんには、「おそめさん」の名で親しまれました。
貧しい家計を支える為、京都で舞妓になろうとした彼女。
母の計らいで、東京の花柳界に送り込まれます。
お稽古は大変だし、慣れない土地で仲間外れになったり。
でも、彼女は、その生活を寂しく感じるどころか、大いに満喫。
気っ風が良く、「静かな愛想」ともいうべき特性を持った彼女。
袂の長い綺麗な着物や、美しい華やぎを堪能できる少女だったのです。
与えられた状況を、ポジティブに受け止められたのですね。
彼女は、一旦、京都に戻りますが、また東京に戻ります。
松竹の大物に支えられ、不自由しない生活を送ります。
お客様を、大切にし続けた彼女。
小さなバー「おそめ」を開くことになりました。
資金は、贔屓のお客さんが負担。
若いころから「光り輝くような京女」との名を馳せた「おそめ」さん。
カウンターに5、6人がかけられるだけの小さな店は、大当たり。
作家や、映画界の大物が、真っ先に常連になります。
美しさと人あしらいの良さ、溢れるサービス精神。
それが、京女だった彼女を、銀座で一番のバーのマダムにします。
どんな気難しい客でも、おそめさんが接待すれば満足。
後光が差すような美しさ。
でも、それを誇ったりすることは、決してありませんでした。
お金の問題に、全く無頓着だったのも特色。
入ったお金は、周囲の方々と分かち合ったそうです。
そうすると、またお金が回ってくる。
「美しさ」も「お金」も、授けると授かります。
これが、素晴らしい人生の秘訣のような気がします。






















