
? ヨギーニのお産 ?
お産中にいちばん大切なこと、それはどう考えても「呼吸」。お母さんの呼吸によって、おなかの中の赤ちゃんも酸素をもらいます。まさにお母さんの呼吸は赤ちゃんにとって、いのちの源、欠かすことのできないものなのです。
わたしが助産師としてお産に関わっていたとき、「この人、呼吸がとっても上手だな」と思った産婦さんは
ヨガをしていたということがよくありました。彼女たちの多くは、妊娠に気づいてから始めた「マタニティヨガ」の経験者でしたが、
そのたった数ヶ月のヨガの効果が、お産に見事に現れていました。
マタニティヨガの多くは、ゆったりと深い呼吸をしながら、気持ちよくからだを伸ばすストレッチに近いものが多いので、
妊娠してから始めた人にとっては、それだけで体力がめきめきついたり、体重コントロールになったりと、
そこまでの急激なからだの変化は得られないかもしれません。
でもそれ以上に、ヨガが妊婦・産婦に与える効果は絶大なものです。
「妊娠」という出来事は、本当は奇跡的に起こるハッピーニュース。おなかに赤ちゃんを宿したからだは、
病気やケガをしているのではありません。でもなぜか、心配事をたくさん抱えこんだり、自分のからだに自信がなくなったり、
まだまだ先のお産のことがとってもこわくなったり、マタニティライフを楽しめない妊婦さんもたくさん。
それはどうしてでしょう?きっとそういう人たちの多くは、自分のからだに起こっていること・起こり得ることが何かということや、
妊娠・出産が自然の出来事だということに気づいていないのかもしれません。
人は誰でも、経験したことのないようなことが身のまわりに起こると、多かれ少なかれ、恐怖や不安の気持ちが沸き起こりますよね。
そして心なしか呼吸が浅く、速くなったりしますね。でも、妊娠・出産が自然の営みで、こわいことではないとわかれば、
それからは不安や恐怖がなくなります。普段の呼吸に戻っていくでしょう。
妊娠中のヨガの効果は、まさにそこにあるような気がします。居心地のいい姿勢でゆったりと座って、気持ちよく呼吸をしていると、
自分のからだやこころに目を向けられます。1ヶ月前には簡単にできたアサナでもおなかが少し大きくなって何となくとりづらくなったり、
自分がリラックスして大きく呼吸しているとおなかの赤ちゃんは元気に動くことがわかったり、おなかが大きくなっていくにつれて
腰や足に負担がかかっていることに気づいたり...
そうしているうちに、前よりずっと自分のからだの変化や赤ちゃんを愛しく想うようになって、
早く我が子に会いたくなるかもしれません。こころが安定すると、自然と呼吸も深くゆっくりになっていきます。
また、ヨガのレッスンでアサナをとっているときの感覚は、陣痛を逃す感覚にも少し似ているように思います。
たとえば、とっても苦手なアサナがあったとして、5回呼吸している間でもとっても長く感じたりしますね。
でも5回呼吸をすれば、そのつらさから抜けられます。陣痛も同じ。子宮の収縮は一生続くわけではありません。
数十秒とか数分の陣痛の波はやってきてはなくなり、その波ごとに少しずつ少しずつ赤ちゃんを外の世界に運んでくれるのです。
波をひとつひとつ乗り越えれば、ちゃんと終わりは見えてくるのです。そうしたことは頭ではわかっていても、
実際にからだで理解していないと、お産中にパニック状態になってしまうかもしれません。
妊娠中に行うヨガのレッスンで、お産のための準備ができるでしょう。
妊娠するまでは、身のまわりのことは自分でコントロールできて、思い通りの生活を送っていた人も、
妊娠・出産・育児においてはそううまくいくことばかりではないかもしれません。
でも、自分の生活やからだに起こっている変化をありのまま受け入れ、感情の波を上手にコントロールすることができれば、
すべてのことが楽しくハッピーになってくるだろうと思います。
ヨガはそんなところでも力を貸してくれるでしょう。
人生の中で数えるくらいしかない大切な時間を、ヨガをしながら、赤ちゃんと一緒に楽しんでみてはいかがでしょうか?
-yuko matsubayashi-






















