yoga×eco : 「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,10

「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,10

「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,10

2008年11月10日(月)帰国とその後

帰国後最初のサプライズは、体の変化だった。10日ぶりの我が家に着くなり、味噌・しょうゆ系のばりばりの和食をつくり、もりもり食べたところ、なんと下痢に!!体が日本食を拒否しているのだろうか。海外で体内に入って、帰国後日本食に反応して下痢を引き起こす菌もいると聞いたけど(それなら一生日本に帰ってこなけりゃぴんぴんしてるってこと??)。そしてこの下痢はしばらく断続的に続き、その後胃の調子までも微妙になってきて、年末までにはすっかり痩せてしまった。

「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,10また日本のニュースからめっきり遠ざかっていたので、筑紫哲也さんが亡くなったことすら知らず、TVで「追悼番組」なんて文字を見て、何のこと?と思ったり、相当な浦島太郎状態だった...たかだか10日間で、色々起きるものだなあ。

帰ってくるときは、ひたすら、忘れないようにしたいなと思っていた。南米のゆるさ、ガラパゴスの美しさ、人々の優しさ、純粋さ、オープンさ。自分がオープンマインドだったこと、自分とつながっていたこと。本当はいつでもつながっていることも。好奇心旺盛で逞しい私、繊細で色々な声を聞いている私、すべてこのまま日本に持って帰るんだと。

そしてガラパゴスで絶えず考えていたような「存在について」「自然界と人間について」といったテーマをもっと自分なりに探求したいし、世界をもっと見てみたいと思った。色んな場所に行き、単なる観光ではなく、未知の世界に飛び込んで、もっと自然に触れてみたい。落ち着いてしまいたくない、落ち着いたら人生終わりだ、もっとワイルドに生きたい。そう考えている自分がいた。

「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,10ガラパゴスはまた、私の中にあった潜在的な体力を呼び覚ましてくれた。太陽の下に1日いると、日傘を差しても夕方には頭が痛くなっていたのに、炎天下のガラパゴスではとにかく元気いっぱいだった。日本でストレスに晒されながら仕事をしていた、ちょっと前までの私は虚弱体質そのものだったのに!自然の今しかない景色や動物を見たい!と思ったら、多少の日焼けも疲労も空腹(低血糖)も、まったくどうでも良かった。自分の中で物事のプライオリティがあるべき順番に戻ったのかもしれないと思う。我慢して信念を曲げて働いていた頃は、それがねじれていたから力が出なかった。居場所がないように感じていたため、過度に守りに入っていたとも言える。今思えば、電池をプラス・マイナス逆にセットしていたようなものだ。
やっと、正しい方向にセットしなおされたと今では感じる。

そしてなんとなく予想していた通り、帰国してからはホームシックが募って、ガラパゴスに戻りたい、東京はイヤだと半べそで暮らした。その上毎日ガラパゴスの夢を見て、それは2週間くらいしつこく続いた。そして南米の情報を手当たり次第集めて、少しでもあの感じを思い出したくてサルサバーに通いつめ、それは今でも続いている。
ヨガのクラスに行けば、レッスン中私の心はいつもガラパゴスにあって、そこを通して大きな自然とつながりを感じることができる。そして、今でも月を見るたびにガラパゴスを思い出す。ゴミを出したり、生活汚水の行く先を考えるときも、いつも思う。あのサンタクルス島の汚染は、外来種の駆除は、どうなっているんだろう・・・。藤原さんのサイトや毎日新聞の連載を追いかけて、少しでも情報を集めようとした。

ガラパゴスやエクアドルのニュースが殆ど日本の新聞に載らないのは今に始まったことじゃないけれど、そもそも南米のニュース自体が少ないことに今更気づいた。それどころか世界の情勢に関して情報が少なすぎないか?TVはもちろん、新聞にだって期待するほどの量はない。でも世の中にはこの狭い日本よりもたくさんのことが起きているのに。
それでNHKのBSで世界のニュースを見たり、新聞の国際欄を真剣に読んだりするようになった。世界中でガラパゴスだけがおもしろいってわけはない、もっと他にも仰天するような場所があって、信じられないような文化・常識で生活している人々もいるのに、その情報をなぜもっとシェアしないんだろう・・・。知りたくないのかな。と思いながら。

「ローラのガラパゴス旅行記」Vol,10そんなとき7ヶ国語を操り、若い頃世界を航海したアンガーマイヤー氏の言葉を思い出す。
「In a small country like Japan, if you speak only Japanese, who are you gonna talk to?」
そう言われたとき私は答えに詰まった。その言葉は今でもずっと頭の中にある。私のこれからを考える大切な鍵なのかもしれない。アンガーマイヤー氏に出会ったこともこの旅の中では、思い返せば大きかった。
おかげで学びたい言語ができたし、今まで全然興味の無かった世界にどんどん意識が向く。地球儀をぐるぐる回して、次はどこへ行こうか考える。決して平和ではない地域、悲劇に直面している地域もある。でもどこもかしこも、みな同じ地球の上にある。地球はみんなの命を支えている、大きなHOMEなんだと思う。
だからその地球を搾取するなんて、資源を奪ったり核実験を行ったりして、長い間地球がゆっくり育んできた大事な自然を壊すなんて、とんでもないことだ。ただ、地球を守るために色んな立場の人がそれぞれ相反する主張をしていて、何をすればいいのか分からなくもなるし、人間がいなくなれば解決するんじゃないかと考えてしまいがちでもある。
けれど、地球がそう望めばそうしてしまうだろうし、逆に言えば地球は我々と共存したいから今こうして生かしてくれているのではないか。と、都合がいいようだけど、私はそう思いたい。だからせめて私たちは幸せを感じたり分け合ったりすることで、いいエネルギーをお返しし、また地球のルールを知ってそれを壊さないように生活しないといけないな、と思う。本当に個人的な意見だけど。

この地球とのつながり、一体感、世界をもっと知りたいという気持ちが、ガラパゴスへの短い旅の中で私が得た最大の宝物。Joanneが言ってくれた言葉通り「You've found your soul in Galapagos.」そのおかげで人生が大きくシフトチェンジしつつある。心の赴くままに、思い切って行ってみて、本当に良かった!

「ローラのガラパゴス旅行記」はこれでおしまいです。
読んでくださった方々、どうもありがとうございました!個人的な思いをたくさん書きましたが、少しでも皆様とシェアできたのであれば、これ以上嬉しいことはありません。

写真・文 岩本ローラ

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